『3D破壊解析ソフトFRANC3D』は、機体(エアフレーム)の隔壁、タービンブレードをはじめ、様々な機械構造部品のき裂成長の予測解析、耐用期間の解析評価を可能とするソフトウェアです。
FRANC3Dは1980年代後半に米コーネル大学で開発されました。その後、複雑な3D構造用のき裂成長解析プログラムとして、世界各国の産業界・学界で広く用いられるようになりました。現在、アメリカ海軍航空システム司令部をはじめ、先端分野で活用されています。
FRANC3Dではコンポーネントの形状、局所負荷条件、および進展するき裂形状に制限はなく複雑さを問いません。
汎用の有限要素(FE)解析プログラムと組み合わせて使用するように設計されており、現在のところANSYS、ABAQUS、およびNASTRANの3つの商用プログラムとのインターフェースがサポートされています。
通常の使用法では、最初に解析者が商用FEパッケージの標準的なツールを用いて、き裂の入っていないFEメッシュを作成し、次にき裂成長領域のサブモデルを定義します。
FRANC3Dは、このサブモデルのメッシュファイルを読み込んでリメッシュを行い、き裂形状を組み込みます。
き裂の形状と位置は、グラフィックユーザーインターフェース(GUI)を用いて対話形式で指定することも、拡張機能であるPythonプログラミング言語を用いてプログラミングすることも可能です。
き裂が挿入されたサブモデルはモデルの残りの部分と再び一体化され、解析が実行されます。
結果として得られた変位がFRANC3Dに読み込まれ、き裂前縁に沿った全節点で応力拡大係数(SIF)が計算されます。
これらのSIFを用いて、き裂前縁の成長の方向と相対的なき裂進展量が予測され、その後き裂が延長、サブモデルがリメッシュされて、再び応力解析が実施されます。
このプロセスは指定したき裂進展のステップ数だけ繰り返されます。
FRANC3DプログラムはC++ プログラミング言語で記述されており、WindowsとLinuxの両オペレーティングシステム上で稼働します。