MEMS用システム解析ソフトウェアSYNPLEはMicro system、Nano system分野の設計要望に応えるためIntelliSense社によって開発された設計シミュレーションソフトウェアです。SYNPLEは、一般的な電気回路設計ソフトのようにMEMSデバイス設計を行うソフトウェアで、MEMSにおける静電-構造-流体連成物理現象を取り扱い、定常解析、周波数応答解析、過渡解析が可能です。(図 1)
図 1 振動ジャイロの周波数応答解析モデルと解析結果グラフ
SYNPLEは、有限要素法解析では不向きな大規模な過渡解析、構造形状などのパラメータ解析を高速かつ容易に行い、デバイス設計を効率化するシミュレーションシステムです。
梁やプレートのようなMEMSデバイスの基本的な構造要素、或いは曲がりくねったばねや櫛型アクチュエーターのような複合構成要素、コリオリ力の考慮、MEMSデバイス要素(スイッチ、加速度計、ジャイロ等)を使用したデバイス設計、また、各種電気回路、論理回路要素と組み合わせたシステム設計も可能です。(図2)
解析結果は数値データ・グラフ表示の他に、3次元形状モデル、2次元マスクデータとして出力することで、作成したモデル・解析結果の容易な確認と、エッチング、3次元解析ツールへのデータリンクが可能です。
図 2 3次元形状モデルによる解析結果表示(振動ジャイロ)
図 3 SMEのシステム過渡解析モデルとグラフ
図 4 3次元形状モデルによる解析結果表示(ミラーデバイス)
図 5 3次元形状モデルによる解析結果表示(センサモデル)
また、System Model Extractor (SME)機能により、有限要素法モデルから任意の複雑な形状のMEMSデバイスの動的、周波数応答を十分にとらえることができ、容易にシステム回路の作成が可能です。(図 5)
図 6 SME機能イメージ
System Model Extractor (SME)機能とは、3Dモデルから得られる周波数応答やダンピングなどのMEMSで考慮しなければならない物理的現象を精確に抽出して マクロモデルを作成する機能です。抽出したマクロモデルは任意の回路シュミュレータ(EDA Linker使用)やSYNPLEを使うことで高速かつ精確にシステム解析を 行うことが可能です。
SME機能を使用して過渡解析を行った場合、3Dモデルで過渡解析を行った場合と比較して計算時間にして約100倍以上もの計算時間の効率化が可能です。 |
図 7 SMEの概略イメージ図
SMEでは3Dモデルでの解析結果を抽出して、SYNPLEと組み合わせてシステム解析を行うことが可能です。 また、EDA Linkerを使用することで、他社EDAツール(VHDL,HSPICE,PSPICEなど)との連携を可能にし、使い慣れたEDAツールでシステム解析をすることが可能です。
CPU | 1.6GHz以上 |
サポートしているオペレーティングシステム(OS) |
Microsoft Windows XP Microsoft Windows 2000 Microsoft Windows Vista 上記OSの動作しているPC、PCワークステーション *現在ではWindows版を中心にして開発が進められており、流体、電磁場解析はPC版のみです。 また、Windowsネットワークによるネットワークライセンスも可能です。 |
RAMメモリ | 1GB以上 |
ハードディスク空き容量 | 9GB |
モニタ解像度 | 1280×1024以上 |
※ | 64bit、マルチコアCPU推奨 |